最悪

この間、最悪なことがあったので記しておきたいと思う。

俺はBURGER NUDSというバンドが好きで、この間もクソ落ちていた時にBURGER NUDSを延々聴いていた。若干精神が安定してきた時、ふと「海を見ながらBURGER NUDSを聴いたら最高なんやねえか?」と思った。夜の港の、よくわからんブロックに腰掛け、波打つ様子を見ながら爆音でBURGER NUDSを聴く。最高に浸れる。しかしその日はもう夜も更けていたので寝た。

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次の日の18時、俺は最寄駅のホームに立っていた。むろん海に行くためだ。電車がホームに滑り込んでくる。乗り込む。調べたところ、神奈川県の茅ヶ崎という場所が良さそうだったのでそこに行くつもりだった。電車でたっぷり2時間かかる。電車の中で俺は、正直期待感に胸を膨らましていた。海で聴いた時の最高具合を高めるため、その日一日BURGER NUDSをめちゃくちゃ聴きたい気分だったが我慢していた。

ついに茅ヶ崎駅に着いた。電車を出る。すると俺を待ち受けていたのは割と栄えている街だった。この時点でだいぶイメージと違っていた。俺はもっとのんびりした田舎な感じを想像していた。駅もクソでけえ。まあこの時点では「あれ?割と栄えてんなー」ぐらいだった。ここで弁解しとくと俺はマジで地理がわからんくてどこが栄えているとかそういう情報が全く無く、茅ヶ崎が湘南の一部に入っていることすら知らなかった。のでしょうがない。

20分ぐらい歩いて海に面した道に出た。とんでもない広さの道だった。4車線ぐらいあり、次から次へと轟音を響かせて車が通過していく。駅に降りてからここまで、全部がイメージと違う。もうここ、都会やんというのは薄々勘づいていた。それでもここまで来たからにはという思いで海に出れる場所まで歩いた。

海が見えた。その日は暴風注意報が出ていてありえないぐらい海が荒れていた。闇の中砂浜に打ちつける猛り狂う波に俺は完全に臆してしまった。暴風の中なぜかビーチで数人の男女が花火みたいなことをやっている。めちゃくちゃ萎えてきていた。

それでもビーチじゃなく漁港に行けば何とかなると思いまた歩いた。すると向こうの方から怪獣の鳴き声みたいな爆音が響いてきてこちらに近づいてきた。なんやなんやと思っていると暴走族だった。それも数十人とかじゃなく数千ぐらいの大軍団だった。二人乗りのバイクが爆音を鳴らしながら車と車の間をすり抜けていく。それが絨毯爆撃みたいにエンドレスに続く。地獄だった。あんな暴走族って今もおるんやと思った。

歩いていると見る見るうちに風景が「都会の海」に変貌していくのが分かった。俺は本当に田舎の海しか行ったことがなく、湘南と言われても明浜シーサイドサンパーク(俺の地元の隣町のビーチ)ぐらいやろうと勝手に思っていたのだが、巨大なビルがボーン!!とあらわれ、ガストあるわ結婚式場あるわデカホテルあるわで完全に都会の海を舐めていたことを知った。

漁港に着いた。しかし何か金網のようなものが張ってある。見ると改修工事中で港には入れなかった。とぼとぼと道路に戻った瞬間、ドパーン!!!!とものすごい音が鳴り、空に花火が打ち上がった。それを見た瞬間にもう帰ろうと思った。暴走族の列は俺が帰る時もまだ続いていた。駅に戻って脳死状態で電車に乗り込み帰った。

以上です。こんな最悪なことあるんやなと思いました。

シンエヴァ 感想

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を観てきました。

自分は普段からエヴァとアスカ好きってのたまってるけど、正直公開日決まった時もへーって感じやったし前日に一応Q観返しただけだったし、初めて観てSS漁りまくってた時みたいな熱量は無いって自分でも分かっていた。それでも本当に良かった。観終わった瞬間は、なんというか全部許せるような気分になった気がした。

時間が経つにつれてアスカの「好きだった」がボディーブローみたいに効いてきた。そりゃ14年経ってるからしょうがないけど、シンジとアスカを応援してきた身からすると現実突きつけられた気分になってマジで辛かった。まだアスカ、幸せになれよ!みたいな気分にはなれない。まあループしてるかパラレルワールドなのは確実だろうから、多分色んなエンドあるうちの1つなんだろうけど。

それと同時にあー俺はアスカっていう人間じゃなくて単なるキャラが好きだったんだな…みたいな当たり前のことに気づかされた。すっげー嫌な言い方すればシンジのことが好きなアスカが好きだったんだろーなーという。まあ別にそれで良くね??みたいな気持ちもある。多分しばらくは人妻見るみたいな気持ちでアスカを見ることになると思う。

個人的には、ケンスケはアスカとくっついたんじゃなくてアスカを支える家族みたいなポジになったんだと思う。ラストもマリシンってわけじゃなくシンジを救う役割が真希波しかいなかったってだけやないんかな。

やっぱ俺は旧劇のどろどろのラストが好きだ。今は。大人になってからまた観返したら感想も違ってくるんだと思う。でも、皆救われて良かった本当に。特にシンジとオヤジの対話はもう無いままで終わるんじゃねーかと思ってたからあって良かった。

4年前の夏、脚が痛くて眠れなかった。ずっとエヴァを観ていた。人生で初めてちゃんと観たアニメだったかもしれない。すぐ新劇を観て漫画も買った。二次創作のretakeも読んだ。朝まで考察読んだりした。凄く楽しかった。

本当にこれで終わりなのが寂しい。受け入れたくない。終わらないでほしい。どんな形であれ、またやってほしい。

この作品を劇場で見れて良かったなって思うし、改めてエヴァっていう作品が自分の決して少なくない部分を形作ってたことに気づけて良かったと思う。

本当にありがとうございました。

九龍庭園

九龍庭園を出してから約2カ月経った。俺はネットがそれなりにざわついたりインタビューの依頼とか来るんじゃねえかと思ってそわそわしながら2カ月待ってみたが何にもなかったので本当にがっかりした。しょうがないから自分で書くしかない。俺はこのアルバムはかなり良いと思っている。

Junes Kと最初に曲を出した直後にJunesからDMがきて、アルバムを作らんかということだった。びっくりして、興奮した。Junesに最初に俺から声をかけたとき、あわよくばアルバムとか作れたらいいな、でも多忙そうやしな、と内心思っていたのでまさか向こうからくると思っていなかった。それが2018年の10月で、そこから放置して、お互いやる気になり始めたのが翌年の4月くらいだった。その間にふたりでexistという曲を出したり、2月にJunesがビートグランプリ2019クラッシュで優勝したりした。その時にお祝いを言おうと思って初めてJunesに電話をかけたが、ワタルさんがJunesのふりをして出たことに1分ぐらい気づかずに「あの、ほんとにJunesさんのビート好きで、アルバムまじよろしくお願いします!!」とか喋ってしまって大恥をかいたりした。マジで殺意を覚えた。

gOTHのデモビートを初めて聴いたときは天変地異起こるぞぐらい思った。荒廃して燃える街が浮かんだ。そしてyoo!くんを呼ぼうと思った(その時はまだCodaという名前だったが)。それまで自分の曲にfeaturingを呼んだことが無かった。俺の曲に他のやつのラップなんか乗せてたまるかと思っていたし、featuringに呼べるくらい信頼できるラッパーもいなかった。4月くらいにお互いの曲を聴いて知り合ってから、ずっと曲を一緒にやりたいねと言っていたけど、これがそのチャンスだと思った。そして最高のバースを書いてくれた。「燃やした車で突っ込む未来 俺らの描いてる文章は全裸」という歌詞がまじで好きで、家訓にしてもいい。yoo!くんとはまだ会ったことない。早く会いたい。

実はCD焼いて売ろう!サブスク出そう!というのもJunesと話していたけど、9月に学校からそれはアルバイト扱いになると怒られ、無理になった。ごめんなさい。ライブも実質禁止やしもう学校やめようかなと思ったけど結局やめなかった。そのせいじゃないけど、夏から病み散らしていたのでツイッターを消した。

11月に東京でイベントがあってJunesとはその時初めて会った。いやJunesだけじゃなくて色んな人と初めて会った。その頃にはアルバムはほとんど出来ていたが、問題はミックスだった。ミックスは手つかずだった。俺もJunesもミックスの経験が無く、どうしようかと思っていた。そこで燻さんの存在を思い出した。燻さんは信頼できるしミックスもばり上手い。燻さんから完パケが送られてきたときは衝撃を受けた。Junesも感動していた。出来た…!と思った。そう、出来た。

いや、まだアルバムタイトルを決めてなかった。適当でも良いんだけどせっかくだし俺は良い名をつけてあげたかった。1週間くらい考えたが全く妙案は浮かばず、どうすっかなと思いながら布団に寝転がって何気なく燻さんとのラインを見返していたら、九龍の話が出ていた。これは後付けの部分もあるけど、俺はこのアルバムで「何か強大な力に対する憧れ、反抗、諦観、そしてそれを取り込むこと」を表現したかった。そしてその舞台として頭に描いていたのが、しっちゃかめっちゃかで荒廃したスラムだった。燻さんとのラインを見て、初めて俺が思い描いていたのは九龍だったと気づいた。そしてその頃買った服に庭園の文字を見つけた。九龍庭園。九龍庭園…。良いタイトルが出来た。

アフリカのvideoはanoinbaeさんに作っていただいた。アフリカはラップでsyrup16gのex.人間みたいな世界観を表現したいと思って作った曲だった。人にvideoを作ってもらうのは初めてだったので送られてきたとき興奮状態で観た。コメ欄で映像の元ネタを挙げてる人がいたけど俺は冒頭のlainしか分からなかった。龍のMVは友達に撮ってもらった。はじめは川で撮ろうとしていたが3月の川を舐めていた。寒かった。転んで尻を強打した。失敗した翌日に俺んちの風呂場で撮り直した。川沿いの空き地で撮っているとき、そばに車に繋がれたボートが置いてあった。変なおっさんが近づいてきて「何しよん?」と言った。説明がめんどくさかったので写真撮ってました、と言った。おっさんはその空き地の所有者らしく、「それならいいんやけど、このボートに触ったら腕、無くなるよ」と言って去っていった。めちゃくちゃ怖かった。

俺はこのアルバムをサンクラでちまちまやっているガキが調子に乗って自己満でちょろっと出した無料配布楽曲集とはまったく思っていない。しかし九龍庭園に満足してるというわけじゃなく、むしろこれから先やっていく上でのガチの布石になったと思っている。俺と~離はアルバムを作っているし、Junesは裏で色々何かやっているし、yoo!くんと燻さんはEPを出すと思う。みんなでやりたいことがいっぱいある。

やっていくしかない。